かいごデザインではマニュアルは最小限にして、一人一人のヘルパーが会社の理念に則って自分の頭で考えて自立支援を行います。
それを「創造的自立支援」と呼んでいます。
介護は創造的な仕事だからです。
まず最初に職員の方と、かいごデザインの理念である「楽しく生ききる」というパソコンで言うならばOSのようなものから共有します。
ただマニュアルがないだけでは、良いサービスが行えないどころか、職員も利用者も混乱してしまいます。
理念を共有した上で、具体的な事例や考え方を共有して、一人一人のヘルパーや調理スタッフが、それぞれの自分の個性や能力に合わせて、働いています。
中でも「待つ介護」というのは基本的な創造的自立支援です。
分かりやすいものなので最初にお伝えしています。
「待つ介護」とは、「利用者が自分で出来ることはヘルパーが行わずにお待ちする介護。」と定義しています。
例えば入浴介助は時間のかかるケアの一つです。
多くの施設では人手不足もあって、スピード重視の入浴介助が行われます。
しかし、スピードを重視するとヘルパーが介助しすぎてしまうのです。
時間をかければ利用者の方が服を着替えることが出来ても、
スピードを重視するためにヘルパーが介助してしまうのです。
そうするとケア自体は早く終わるのですが、利用者の方の残存能力を奪っていきます。
一見するとヘルパーが一生懸命ケアを行っているようにも見えるのですが、
実際には利用者の方の自立度を下げ、さらにはご自身で出来ることを減らしていってしまうのです。
このようなスピード重視のケアは本来あるべき介護の在り方ではないと考えています。
着脱を全て自分で行えないとしても、ボタンは自分で留める、袖は自分で通す、など部分的に出来ることはあります。
それは時間がかかりますし、部分的な介助というのはヘルパーの見極めも必要で、
実は全て介助するよりも高度なスキルが必要です。
かいごデザインでは「利用者が出来ることは利用者が時間をかかっても自分で行う」という方針です。
これを社内の統一した合い言葉として「待つ介護」と呼んでいます。
「待つ介護」によって、時間はかかりますが利用者は自分で自分の事が出来ることで、
精神的にも自信が付きますし、何よりもより健康な生活が送れます。
非効率に見えるかも知れませんが、実は利用者が自立に近いレベルを維持するためには大事なことです。
かいごデザインのスタッフは今日も「待つ介護」を実践しています。